夏のサラダにご用心!

「好きな野菜の食べ方は?」と、あるインターネットサイトが調査したところ、約7割以上の人が「サラダ」と回答したそうです。調理の手軽さもポイントになっているのかもしれませんね。さて、そんなサラダですが、もちろん主な材料は生野菜です。でも、この生野菜にはたくさんの細菌が付いているのをご存知ですか?スーパー等できれいにラッピングされている野菜を見ると、たくさんの細菌が付いているなんて、ちょっと想像できないかもしれませんね。では、どれくらいの細菌が付いているのでしょう?

■1グラムに15万個以上
実際に、山梨大学の学生さんにサラダによく使われる野菜4種について、シート培地を用いた培養法で調べてもらいました(写真)。その結果、どの野菜でも1 gあたり10万個を超える数の細菌が付いているとの結果が出て、中でもカイワレ大根では500万個を超えていました(濃い緑色の棒グラフ)。この数字を知ると、野菜を生で食べるのが怖くなる人もいるかもしれませんね。でも、ご安心下さい。基本的にはこれらの細菌は無害なものばかりので、全く怖がる必要はありません。ただ、ごく稀に大腸菌O157株に代表される悪い細菌が付いている場合があり、それが原因で食中毒になることもあります。とはいえ、ごく稀にとはいっても食中毒には絶対になりたくないですよね?では、どうすれば野菜による食中毒のリスクを下げることができるのでしょう?薄い緑色の棒グラフは前述の実験で使った野菜を流水で洗った後の細菌数を調べた結果ですが、どの野菜でも細菌数が減っていることが分かると思います。また、水洗い後のキャベツを千切りにして冷蔵庫と室温で6時間保存した場合に、細菌数がどう変わるか調べたところ、冷蔵庫(4℃)ではほとんど変化は無かったのですが、室温(25℃)の場合には2倍に増えるという結果が出ました。


野菜にどれくらいの細菌がついているかを調べる学生さん


野菜1グラムあたりについていた細菌の数


■冷蔵庫に保存

これらの実験結果を見れば、もうお分かりですよね?生野菜をサラダに使う場合は、流水等でよく洗うことと(水分が多いと細菌は繁殖しやすくなるので水洗後は水分を取り除きましょう)、作ったサラダをすぐに食べない場合は冷蔵庫で保存するというのが私達にできる対策かと思います。食中毒は室温が25℃を超える6月〜9月に集中するといいます。つまり、これからの時期は要注意ということです!ですから、例えば作ったサラダ(特に、ちゃんと洗っていない野菜を使ったもの)をお弁当に入れて外で持ち歩くのは避けたほうが良いでしょう。

(山梨日日新聞「知りたい好奇心」(2016.7.26.掲載記事を一部修正))